先日から行っている「マイナーポイント」巡り。
いよいよ最後のポイントだ。
ここはクルマがまったく近づけない登山道のコース。
結構な傾斜地を自力で歩いて探すしかないななかなか過酷なコースなのだ。
多い時は20頭くらい確認できたこともあるが、たいていは1頭見つかるかどうかの場所。
単純に登山の目的で来たら大したことのない低山だが、クワガタ採集がセットになるとものすごくキツイものになるから、出発前はちょっと尻込みしたくらいだ。
駅から下りて登山道入り口まで20分くらい歩くのだが、この段階ですっかり疲れてしまう。
入り口にたどり着いてマムシ避けのゲーターを装着しながら息を整え、「よし!」と気合を入れて登る。
顔の周りにメマトイが飛び回ってうるさい。
しばらく登ってようやく最初のポイントに着いた。
この1本のクヌギの爆裂を双眼鏡でチェックする。
カナブンしか確認できない。
蚊の攻撃に耐えながらじっくり探す。
「いた!」「これってミヤマか??」
写真を撮って拡大して確認する。やけに頭部が小さいミヤマ。でも竿が届く高さではないから「蹴り」だ。
落下!「パサッ」あちゃー!葉っぱに引っかかちゃった!探してもどこにいるのかわからない。まあ、小さいからいいか。
尾根道を進みながら、次のポイント。ここでは68ミリのミヤマを採集したこともあるから期待が高まる。蹴る。ミヤマ雌が落ちてきた。まだオスがいるかも知れないから再び蹴る。まったく落下せず。たぶんいるんだろうけど、最近のミヤマは落ちて来ないことが多いから。
ここから急な上りをしばらく歩き、この場所のメインクヌギにたどり着く。いつもならカナブンやハチ、チョウが乱舞しているはずなのだが、今日はクロカナブンが2頭しか見つからない。どうしたことなのだろう。樹液が出ないのか、まだ時期が早いのか。もちろん、蹴ってもカナブンがブーンと飛び立つだけで落下はない。このクヌギを確認するために足場の悪い斜面のがれ場を下りていったから、再び登っていくのが超辛い。メマトイ、蚊がまとわりついてくる。汗がボタボタ滴ってくる。もう限界だ〜。
這いつくばるように登山道に辿りついたときには、本当に死ぬかと思うくらいに苦しくて、顔の血の気が引いてくるような感覚になっていた。連日の疲れも溜まって疲労のピークのようになっているのだろう。正直、ここでやめようかと思ったが、この地にはまだまだクヌギ多発ポイントがあるのだ。何という「難関」なのだろう!!
クヌギが「難関」に感じてくるようだと最悪だ。でも、確認するまでは帰れないのだ。
クヌギ多発ポイントに近づく途中にも蹴りごろのクヌギが数本。そのうちの1本で落下がある。傾斜の下に向かって枝が伸びているから、当然下の方に落下する。じっと落下物を目で追う。クワガタの脚が見えた。「しめた!クワガタだ!」急いで傾斜地を駆け下りて拾い上げる。
あれ〜!ノコでした!ミヤマを探しているから本日これは外道だ。残念。傾斜地を細い木につかまりながらよたよた登る。よせばいいのにもう一度蹴る。「ポタ!」何かが落下した。小さいけど確認しに、再び駆け下りる。「え、コクワ?でも何か変。」老眼鏡をポケットから出して確認する。
「極小ミヤマだよ〜!」たぶん40ミリほどしかないだろう。ドッと疲れが出てきた。
肩を落としながら登山道を更に進む。ようやくクヌギ多発ポイントだ。樹液はやはり出ていない。「最後の難関!蹴るぞう〜!」イバラの下草をかき分けて蹴る。
結果…落下0。
こんなにクヌギがあるのに〜!こんなにいい環境なのに〜!こんなに蹴ったのに〜!て叫んでもデカミヤマはいない。
シンジラレナーイ!!
もうこれ以上頑張れなくなりました〜。跪いて敗北宣言です(笑)下山だ。
汗まみれの服を着替えることもなく電車に乗って帰路につく。電車の中では、もちろんこの服でシートに座ることもできないし、汗臭いから端っこに立って隠れるようにして過ごした。もう2度とこのコースには来ない、と本気で思ってしまったよ。トホホ…。
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